『Tシャツが乾くまで』第7話 感想・考察|不倫ではなくても、秘密にされた側は苦しい

夕暮れのベランダに干された白いTシャツと、「Tシャツが乾くまで 第7話 感想・考察」の文字を描いたアイキャッチ画像 Tシャツが乾くまで

※この記事には『Tシャツが乾くまで』第7話「第三金曜日の出会い」までのネタバレがあります。

第7話では、とうとう帰ってきた充から、これまで隠されていたことをいろいろ聞くターンになった。

充とあずさの関係は、体の関係があるような不倫ではなかった。二人は毎月第3金曜日、コインランドリーで洗濯物が乾くまでの1時間ほど、お互いのパートナーには話せないことを話していたという。

公式の第7話紹介でも、充があずさとの関係を不倫だと定義されることに納得できず、二人の「第3金曜日の真実」を語り始める回だと説明されている。TBS公式・第7話番組情報

充とあずさの関係は不倫だったのか

私は、充の話を聞きながら「わかる。わかるよ」と思ってしまった。

不倫のような体の関係はまったくなくて、ただ話すのが楽しい。しかも相手は、夏帆さんが演じるあずさのようなきれいな人で、こちらの話を嫌な顔をせずに聞いてくれる。

そりゃあ、楽しいよ。また会いたくなるよ。

あずさ自身も家族を大切にしている。でも、家族から離れたくなるときもあるし、一人で過ごす時間も必要だと肯定してくれる。

私が充だったとしても、月に一度の第3金曜日が待ち遠しくなったと思う。

ただ、二人の間に体の関係がなかったからといって、咲子や樹生が傷つかないわけではない。パートナーには話せないことを、別の誰かにだけ話していた。その事実は、秘密にされた側からすれば十分につらいことだと思う。

不倫か、不倫ではないか。第7話は、そんな簡単な二択では片づけられない関係を見せてきた。

充が逃げずにいられた理由

充には、以前から逃げ癖があった。

咲子と付き合う前にも、海外出張だと聞かされていた約3か月の不在があった。今回の失踪だけが突然起きたのではなく、充は苦しくなると、その場から離れることで自分を守ってきたのだと思う。

家を建てて引っ越したことも、充にとって大きな引き金になったらしい。

一方で、結婚してから長い間逃げずにいられたのは、月に一度、あずさとコインランドリーで過ごす時間があったからだという。

この話は、咲子にとってかなり残酷だったと思う。

充にとって必要な時間だったとしても、「自分との生活を続けるために、別の女性との秘密の時間が必要だった」と聞かされたようなものだから。

充の気持ちはわかる。でも、咲子が傷つくのもわかる。どちらか一方だけを悪いとは言い切れないところが、このドラマの苦しいところだ。

充の子ども時代と、怒らない母親

充の子ども時代も描かれた。

充の母親は、充がいたずらをしても怒らなかったという。

子どもが嫌いなら、不機嫌になったり、ひどく怒ったりするのではないかと思っていたので、「怒りもしない」ということに少し驚いた。

たぶん、関心がなかったのだろう。

怒られないことは、必ずしも優しさではない。何をしても見てもらえず、自分に関心を向けてもらえない。それは子どもにとって、かなり悲しいことだと思う。

充の母親を演じていたのは菜葉菜さん。どこかでよく見る女優さんだと思っていたので、確認して納得した。第7話のTBS番組情報にも、出演者として菜葉菜さんの名前が掲載されている。TBS公式・第7話出演者情報

充は子どものころから、人との距離の取り方や、苦しくなったときの対処方法を教えてもらえなかったのかもしれない。逃げることは、充が身につけた生き延び方だったのだろうか。

「いなくなったかと思った」に思わずツッコミ

途中、充が園田さんの家から帰ってきたとき、咲子はトイレに行っていた。

咲子の姿が見えず、ものすごく慌てて探した充が「いなくなったかと思った」と言った場面。

たぶん、テレビを見ていた人はみんな、

「お前が言うか?」

とツッコんだと思う。私も思った。そしたら、咲子にもつっこまれてた。笑

でも、この場面には、充の本当の怖さも表れていたように感じる。

自分は何度も逃げてしまうのに、大切な人に置いていかれることには耐えられない。充の身勝手さでもあるけれど、子どものころから抱えてきた不安が、あの慌て方に出ていたのかもしれない。

咲子が出ていった理由は、まだわからない

すべてを聞いたあと、今度は咲子が家を出ていってしまった。

園田さんのところへ向かったのだろうか。それとも、ただ一人になりたかったのだろうか。

咲子の気持ちは、今の私にはまだよくわからない。

充が話したことを信じたとしても、それですぐに納得できるわけではない。「不倫ではなかった」とわかれば終わり、という話でもない。

充が一年間いなくなったことも、あずさとの時間を秘密にしていたことも、咲子の中には残り続ける。

最後に咲子が出ていったときの充の表情は、ものすごく悲しかった。

私はどちらかというと、充を少しひいき目に見ているのかもしれない。そう思いながら、あの表情を眺めていた。

一緒にいたい気持ちと、一人でいたい気持ち

『Tシャツが乾くまで』は、自分自身を振り返るきっかけをくれるドラマだと思う。

うちの旦那さんは、休みの日には一緒に過ごしたい人で、休みを合わせたがる。でも私は、一人で過ごす時間も必要なので、休みが全部一緒でなくてもいいと思っている。

だからといって、一緒に過ごすのが嫌なわけではない。一緒に過ごすのも楽しい。

ただ、一人の時間も必要なだけ。

この二つの気持ちは、どちらかが嘘なのではなく、どちらも本当なのだと思う。(ちなみに、うちの夫婦仲は良好である。)

家族を大事にすることと、家族から離れて一人になる時間を必要とすることは、両立できるはずだ。ただ、その気持ちをパートナーに伝えられず、秘密の時間として別の誰かと共有したとき、関係は少しずつ変わってしまうのかもしれない。

充と咲子は、ここからお互いの違いをどう受け止めるのだろう。

第7話を見て、誰かと一緒に生きることの難しさと、一人でいられる時間の大切さを改めて考えた。

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